Sponge Mind

日常と非日常の触発ブログ

目という存在感

   「まぐわい」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

   先日、SNSにて「まぐわい」の漢字が拡散されていた。実際に国語辞典をひいてみても、出てこない。非常に興味深いものなので、どのような漢字か、意味と語源等から憶測していただきたい。

 

出典1 (  https://pouchs.jp/couple/sex/cXv40#item109289  )  ※100%信頼のできるサイトかは不明

まぐわいの意味

(出典1より)

日本語で言うならば、性交です。最近でこの言葉を使うとすれば、エロ漫画や官能小説などが多いでしょう。

現代のエロネタで書かれると、いかにも卑猥な感じのイメージを持ってしまう人が多いのですが、「まぐわう」はそんな卑猥な言葉でも、単なる性欲を満たすだけのものではありません。

 

まぐわいの語源

(出典1より)

「まぐわう」「まぐわい」は、この古事記に初めて登場する言葉です。8世紀頃に書かれたこの古事記の冒頭には、イザナギイザナミという男女の神が登場し、まぐわりをして国産みを担当するのです。

2人は最初、大きな柱を作り、神殿と寝所を作ってから、互いに柱の周りを回って「なんて素敵な男(ひと)でしょう」「なんて素敵な女(ひと)だ」と目を見つめ合い、愛を交わしてまぐわりました。

 

  なるほど…。出典より、 「まぐわう」は、そもそも古事記に登場しており、現代のような軽んじられた男女の絡みではないということが見受けられる。いわゆる大学のヤリサーとは訳が違う。参考となるウェブを閲覧後、ここに文字を打ちながら、当時の日本人の奥ゆかしさに溜息が出る…

 

出典2 (  http://blog.livedoor.jp/henry_mania/archives/341836.html  )

※100%信頼のできるサイトかは不明

当時の常識

(出典2より)

「男と女の目と目が合ったら,これはもうセックスしたのと同じ」というのが,その昔の常識でした。どうしてかと言ったら,「女は家の中にいて,絶対に男に顔を見せない」という社会常識があったからですね。

 

   出典2で、心底感慨深いと思った。なんと高尚な恋愛なんでしょう…。目が合うだけで心を掴まれるのは、古来からの伝統だったのか。ある資料では、核心を突くときだけ目を合わせなさいとの記載があった。目を合わせることには様々な意義がありそうだ。顔のパーツは会話を円滑に進める要素でもあり、理解し合うために使われるツールでもあると考える。ちなみに私にとって目を合わせることはストレスだ。しかし、そのストレス以上に目を合わせることが好きである。引き込まれそうになる瞳の美しさ、まつげの長さ、視線とまぶたの些細な動き。瞳を見ることで、目を合わせることで、美しさを感じるだけでなく、対話者そのものを感じる。

 

   つい先日、AIというデバイスの出現により言語習得は不必要になるのか考えた経緯がある。AIは日本人の使う奥ゆかしさまで翻訳しきることは可能だろうか。和英辞典に掲載がなかったため、weblioにて「まぐわう」を調べたところ、"to have sexual intercourse''と訳されていた。そういうわけだけど、そうじゃない。もっと上品なはずだ。

 

   さて、「まぐわう」という漢字、おわかりいただけただろうか。………正解は、「目合う」。現代でさえ、目を合わせることは愛と何らかの関係があるのかもしれない。目という存在価値は非常に高い。